3Dモデリングソフト『Fusion360』の使い方。これさえ覚えれば大丈夫!For 3Dプリント【基礎編】

3Dモデリングソフト『Fusion360』の使い方。これさえ覚えれば大丈夫!For 3Dプリント【基礎編】

先日、3Dプリントをして記事を書いたので、その続きの記事を書きます。

Fusion360とは?

Fusion360とは3Dモデリングを行うためのソフトでAutodesk社から販売されています。今まで、Autodesk社から無料配布されていた123Dはサポートが終了しこのソフトに統合されました。販売されているとはいうものの、学生は教育機関ライセンスといって無料で利用できるようになっています。また、Fusion360では3Dプリント以外の用途で様々な利用方法ができます。例えば、物理シミュレーションなども可能でプロダクトデザインなどの用途にも使われています。今回は3Dプリント向けにFusion360の使い方を説明していきます!
3Dプリント全体の流れを知りたいという方は以下のページで流れを確認してください!
【徹底解説!】サルでもわかる3Dプリンターの使い方と手順

Fusion360の基本3ステップ

実際にFusion360を利用する際には常に以下の3ステップを繰り返しながら3Dデータを作成して行くことになります。そして、ちょっと特殊な「作成」を交えて自分の思い通りの形を成形していきます。

スケッチ

まず、Fusion360を開くと以下の写真のような状態になっていると思います。

右上のキューブを動かすことで視点を操作可能で、3Dのプロダクトを見回せるようになっています。この、写真の左上にある、スケッチボタンから全ては始まります。スケッチとは、3Dデータを作成する前に2Dのデータを画面上に描くことを言います。
スケッチボタンにカーソルを合わせるとスケッチしたいものを選択できます。今回は文字をスケッチしてみましょう。
スケッチから文字を選択すると、以下のような画面になります
これはスケッチをする平面を選択する画面になります。特にこれだというのが無ければ下を選んでおきましょう。
下を選ぶとどこからスケッチを開始するかポイントを選択させられます。ポイントを選択したらスケッチ開始です。今回は文字をスケッチするのでタイピングでスケッチします。スケッチしたい文字列をタイピングしましょう。タイピングが終わったら、以下のような画面になっているはずです。
この画面で出ているポップアップのテキストから高さを選択することで、テキストの大きさを二次元で編集することができます。また、高さの基準はMの上から下がちょうど指定した数値に揃い、その後はフォントに指定された比率によって大きさが変わります。また、フォントを変更することも可能で今回はこのサイトのロゴに利用しているFira sansを選択しました。さらに、文字スタイルを選択することで文字装飾を設定できます。その他の値は基本的に触らなくてOKです。ここまでできたら、スケッチパレットにあるスケッチを終了ボタンを押します。

漢字のスケッチはできませんのでご注意ください。出来ましたわ、、、パーツ数が多くなると厳しいみたいなのでそこは調整しながらやってみてください

プル

第二のステップはプルです。プルすることで二次元だったスケッチデータを3次元に引き起こします。方法は簡単で作成タブの中から「押し出し」を選んで矢印をドラッグするだけです。

プルが終わるとこのような画面になります。

この状態では全ての文字は一つに繋がっておらずそれぞれ別のオブジェクトとして扱われます。

修正

さて、次に修正を行います。修正には様々な種類があるのですが、代表的な移動結合を紹介します。

移動

まず、先ほどのスケッチとプルを繰り返して長方形の台座を作りました。
さてこの状態だと長方形の台座が宙に浮いてしまっています。そこで、この板を移動して「MyJourney」という文字列に重ね合わせ一つのオブジェクトとして扱えるようにしましょう。
まず、修正から移動を選択します。移動を選択すると移動する対象を選択できるようになるので、長方形の板を選びましょう。ここでうまくいかない際には移動/コピーのウィンドウでオブジェクトがボディになっているか確かめてください。ボディでなく、面になっていると面しか選択できず面を移動させてしまいます。
ボディが選択できると選択されたボディは青くなり、移動のためのツールが表示されます。この、矢印を動かすとその直線の沿線上を移動し、四角を動かすとその平面を移動します。最後に中心の点を動かすとそのオブジェクトの中心が移動し3次元的に移動できます。しかし、動かしやすいのは平面と直線の利用な3次元的に動かしたい際にも、平面と直線を駆使して移動することをお勧めします。
うまく移動できたでしょうか?こればかりは慣れが必要です。適宜数値などを使って移動することで正確にモデリングしていきましょう。

ここまで、できれば上の画像のようになっているはずです。ここまでの設定は文字の縦の大きさ(テキストウィンドウでの高さ設定)が10mm、そしてプルで引き起こした文字の高さが5mm台座が4mmとなっています。

結合

さて、ここまでできれば完成は間近です。最後にバラバラのボディとして考えられている文字と台座を結合して、一つのボディにまとめあげます。修正の中から結合を選択します。
そして、結合したいボディをシフトを押しながら選択します。ここまでで、以下の写真のようになっているはずです。
ここまでで、お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、画面左側のファイルブラウザはFusion360の空間上にあるデータを名前で表示しています。ここを確認して全てのボディが選択されていることを確認しましょう。確認できたら、最後に結合ウィンドウのOKボタンを押して結合完了です。ファイルブラウザを確認するとボディが一つになっているかと思います。

作成について

最後に、作成です。作成はよく使う形をスケッチをすっ飛ばしてFusion360の空間上に作成する機能です。今回は円柱を作成し、キーホルダーの穴を作成します。作成から円柱を選択しMの横に円柱を作成します。チェーンが通るように直径7mmの円柱を作成します。

ここで、重要なのは作成によって生まれた円柱ウィンドウです。
ここの操作が非常に重要です。操作には、

  • 結合
  • 切り取り
  • 交差
  • 新規ボディ
  • 新規コンポーネント

の5種類があります。
3Dプリントにおいて重要なのは上の四つで新規コンポーネントはプロダクトデザインなどに利用します。一つ一つ実際に試して欲しいのですが、結合は先ほどの修正の際の結合と同じで、切り取りはその作成したボディが占めるエリアにある別のボディを切り取ります。逆に交差は他のボディと交差している部分のみ残し作成したボディとその交差したボディの別の部分を全て削除します。新規ボディは一番シンプルでスケッチとプルを経てできたボディと全く同じ振る舞いをします。ここでは、新規ボディを選択して円柱を作成します。移動し、結合したのちの画面は以下のようになっているはずです。

次にを開けます。作成から穴を選択し、完成した円柱の上面を選択。その後はこういった画面になります。
この画面で、穴の直径や中心を調整して、OKを押して穴を作成します。
最終的には、以下のような形になります。

データができたら

さて、データが完成したら最後にメイクタブから3Dプリントを選択します。3Dプリントするボディを選択してリファイメントを高に設定して3Dユーティリティプリントからチェックを外したらOKを押します。リファイメントオプションはいじらないでいいです。OKを押したらデータの保存先を問われるので一般的データと同様に設定し保存しましょう。この際、ファイル形式が.stlになっていることを確認できればFusion360でのモデリング作業は終了です。この後は、完成したstlファイルをスライシングソフトに読み込みスライシングを行います。
スライシングについては近日中に記事をアップしますのでお楽しみに!
また、ここで全体の流れを確認したい場合には以下の記事を確認して見てください!

【徹底解説!】サルでもわかる3Dプリンターの使い方と手順

基礎的な考えを身につけて慣れてしまえばFusion360は簡単なソフトウェアです。Fusion360をマスターして自分の作りたいものを3Dプリンタでどんどん現実にしてはいかがですか?

IT関連カテゴリの最新記事