知り合いの方に勧められて読んだ、落合陽一の日本再興戦略についての書評を挙げてみようと思います。
概要
筑波大学の准教授で、ピクシーダストテクノロジーズCEOの落合陽一さんの最近の著書、
『日本再興戦略』は今までの歴史・文化背景から今後の日本社会を如何にRe-designするか?といったことを考えた本です。
では、一から落合さんの考え方を確認していきましょう。
日本の現状
落合さんは日本の現状を、無駄に卑下しすぎて欧米という謎の存在を追いかけすぎた結果だと分析をしています。
日本は欧州・米国とは違って日本のらしさがあり、歴史に根付いた文化がある。だから欧州という謎の存在を追いかけてもその方法は日本には合わないということです。
よく言われるように、欧州と米国は二元的なものの考え方です。これはキリスト教という一神教の影響が大きいと考えられています。
しかし、日本は古来より神道で多神教なのです。本にも書いてありますが、これがベースとなり日本は様々な宗教を受け入れられています。だからこそ、こんなに一年のイベントが多いんですねw
まぁ、それはともかくそんな日本に向いているのはコミュニティの多層化や、地方分権などが挙げられます。
このような方策をするという結論を先に述べてから、様々な分析をこの後に述べていきます。
欧米とはなんぞや?
欧米という謎の存在と先程述べました。
欧米という言葉を分解すると、欧州と米国です。
しかし、これらは一緒くたに話してはいけないぐらいには別物です。
確かに、日本と彼らを比較してちょっと似ている部分はあるかもしれません。一神教である部分などがそうですね。
ですが、一神教で一緒だとしても米国と英国は違いますよね?社会システムもそうですし、信条や文化も全く違います。
例えば、プロテスタント・カトリックの違い(無論プロテスタント国もあるが)や大学の教育システムなどが挙げられますね。
その違うものを一緒くたにして話している結果、ちぐはぐな政策が実施され今の日本が生まれていると落合は結論づけています。
当時はいいとこ取りでよかったのかもしれませんが、一貫性のない政策は今の時代にあってないのです。時代にあった変化を恐れないほうがいいということなのです。
落合はここで欧米を追って生まれたものの考え方を批判しています。
例えば、ワークライフバランス。これは、デカルトの二元論によって生まれた言説であるが、日本人はワークアズライフという考え方が合ってるというのです。
ストレスのかからない仕事をうまく続けていくことの方が日本人には合っているのです。
確かに、今の働き方改革などを見ていても共感できる部分がありますね。
ある時間までに仕事を終わらせて、さっさと帰らないと、、、みたいな。。
次に、個人が力を持つということについて。
日本人は個人が力を持つよりはコミュニティとして力を持つ方が向いているというのです。
そしてコミュニティの多層化を行なって様々なコミュニティに並行的に所属しながら活動をすることを勧めています。
さらに、地方分権。これは、日本が昔クニがたくさん分かれていて内戦をしていたこと、南北に長く地方によってライフスタイルが大きく異なることから地方に合ったより良い政策を地方が実行すべきという風に述べられていました。
日本とはなんぞや?
ここでの主題は、日本にはカースト制度があっていたということです。
カーストとはインドの身分制なんですが、一般的には差別の代名詞のように言われています。
スクールカーストとかね。
しかし、ここでは日本流カーストとして士農工商をあげています。
- 士: 政策や新しいフレームを作る官僚など、クリエイティブクラス
- 農: 百姓 – 百の生業を持つもの。様々な仕事を組み合わせて生きることで希少価値が高まる存在
- 工: アーティスト – 表現する人。何か実用性をクリエイトするわけではないが社会に必須。
- 商: 金融やビジネスモデルを作り出し右から左へ何かを受け渡す人
このカーストを採用することで自分の立ち位置が明確化され、安心感につながるというのです。
そして、この順番で商が一番下なのは商は何も価値を生み出しておらず金から金を生み出すような階級だからということだそうです。
最後に落合は、今後は稀少性の高い人が価値を持つため、百姓的な生き方が重要と結論づけています。
続く、、、、
さて、今日はここまで書いたのですが、量が案外多くなったので残りは次回に持ち越します。
次回の内容は、
- テクノロジーの影響
- グランドデザイン
- 政治
- 教育
- 会社・仕事・教育
についてまとめていきたいと考えています!
お楽しみに!
続きはこちら!
【書評】噂の落合陽一著『日本再興戦略』を読んでみた -気鋭のクリエイター・学者が考える次の日本とは?- Part2
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